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長期休暇の宿題の取り組み方

空前絶後の10連休が始まりましたね。恐らくゴールデンウイーク期間中の宿題が出たことでしょう。今回は、このような長期休暇の際どのように宿題に取り組むと良いか、提案してみたいと思います。

長期休暇を下手に過ごすとどうなるか

長期の休暇をどのように過ごすかは、学生にとってはとても重要です。アスリートが訓練を怠るとレベルアップなどは当然望めず、以前の状態に戻すことすら時間と苦労を要するようになってしまうように、学生が長期休暇中に勉強を怠ると成績アップなどは当然望めず、以前の学力に戻すことすら時間と苦労を要することになります。

真面目な生徒の場合、長期休暇が出たらすぐ宿題に取り組み始め、中にはものの数日で終えてしまうということもあります。それは褒められるべきことです。しかし落とし穴があります。

確かに宿題を早めに全て終えておくなら、その後の休暇を安心して楽しめると思います。しかし宿題を終えた途端に勉強しなくなると、学校の授業再開までにブランクが生じてしまい、授業開始時に以前の状態まで戻すためのリハビリをしなければならなくなります。出だしからつまずくわけです。出だしをつまずくと、負のスパイラルに突入してしまう恐れがありますので危険です。負のスパイラルから抜け出すのは大変だからです。

傾向別、宿題の取り組み方

では、どのように宿題に取り組むと良いでしょうか。生徒の傾向別に、以下の2パターンを考えてみましょう。

  • 長期休暇の最後の方まで宿題が終わらない子の場合
  • 長期休暇の最初に宿題を終えてしまい、その後勉強しない子の場合

長期休暇の最後の方まで宿題が終わらない子の場合

こういう傾向があるとわかっている子の場合、休みが始まる前に、長期休暇中に宿題を終えることができるような計画を立てることが不可欠です。

計画を立てても実行できた試しがないので、計画なんか立てたくないという意見もよく聞きます。でも、計画を立てようとする事自体が大きなメリットになるのです。

計画を立てようとすると、休みの期間内にすべてを終えるために、どの程度宿題の量があるかを把握しなければなりません。この事自体がすでにメリットです。宿題の量がどれほどあるかを理解すると、ある程度早めに取り掛かり始めないとすべてを終えることができない、と自覚できるようになるからです。休みが終わる直前まで放って置くと大変なことになる、ということが見えてきます。

計画の立て方

それでは、休み中に宿題を終える計画はどのように立てるべきでしょうか。親や教師が口出ししたいところですが、最初はその子自身で計画を立ててみるように勧めます。勉強が嫌いな子でも、計画をたてることについては意外と嫌がらず、どちらかと言うと楽しそうにやることが多いように感じます。まずは自由にやらせましょう。

仮に計画通りに行かなくなった場合、子供はいろいろ言い訳を考えるわけです。その一つとして「そもそも、親や教師に押し付けられた計画だった」というようなことを言う場合もあります。そういう言い逃れをできないようにするためにも、自分で作った計画、というスタンスを保つ必要があります。

とは言え、その子が自分で考えて作った計画表を見ると、「そんなの無理でしょ」という代物が出来上がってくることが多々あります。よくあるのが、休暇期間の前半に詰め込んで終わらせようとして作った計画表です。修正が必要です。

本人としては、「前半に宿題を終わらせて、後半は思いっきり遊ぼう」というような事を考えているのでしょう。でもこれは必ず数日で破綻します。1日の割当量が多すぎて目標に到達できない日々が続いた後、やる気を失ってしまうのです。これを防ぐために、

  • 1日の量は少なめにすること
  • 1週間に1日から2日は予備日にすること
  • 遅れが出た場合は、予備日に取り戻すこと

をアドバイスし、もう一度作り直します。妥当な計画表と思えるようになるまで、辛抱強く付き合ってあげましょう。そして、計画通りにいくかどうか、見守ってあげましょう。

教科書のイラスト(セット)

計画通りに行かない場合

無理のないと思える計画を立てた場合でも、その通りに行くことは少ないものです。長期休暇中は家族で出かけるということもあるでしょう。本人の気の緩みで2-3日全く勉強しない、ということもあるでしょう。

計画を立てたものがうまくいくかどうかは、途中でうまくいっていないと気づいた場合にどうするか、ということに大きく左右されます。うまくいかなかった場合は、その都度計画の立て直しを行うべきです。これはかなり重要です。多くの子どもたちがこれを行っていないのではないでしょうか。そうしないとこれまでと同様、「計画を立ててもその通りにいかない」という経験をただ重ねることになってしまいます。

計画の立て直し時も親や教師は子供に寄り添い、一緒に計画を立ててあげます。そして、それが本当に計画通りにいくかどうか引き続き見守ってあげましょう。

長期休暇の最初に宿題を終えてしまい、その後勉強しない子の場合

真面目な子はこのパターンかも知れません。宿題をすべて終えることができたことは、必ず褒めてあげましょう。しかしそのままで休暇を終えてしまうと、授業開始時にその子が困ることになってしまいます。それで、適度な課題や刺激を与えることが必要になります。

宿題を終えたということは、最低限のやるべき課題は終えたということになります。ですから追加の課題としては、ただの計算ドリルや漢字ドリルよりは、算数・数学クイズとか、漢字クイズなど、楽しいと感じるものにしてあげると良いと思います。

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または、刺激を与えるという意味で模試の受験を勧めるのも良いでしょう。自分の実力を知ったり、自分で今後の課題を見つけたり、もっと頑張らねばという気持ちになってくれるかも知れませんね。

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