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時間を効率的に使って学力UPを図るノウハウ─その2

前回は、「時間を効率的に使って学力UPを図るノウハウ─その1」で、途中から授業についていけなくならないための方法の前半を考えました。 

時間を効率的に使って学力UPを図るノウハウ─その1
今日は、生徒が時間を効率的に使って学力UPを図るノウハウについて書こうと思います。鍵は学校の授業中の過ごし方です。 生徒が学校の授業で学ぶことを習得できない理由 多くの生徒は、学校の授業でやったはずの内容をあ...

今日は後半を書きたいと思います。

途中から授業についていけなくならないための方法─後編

デュアルタスクの開始

授業を聞きながら教科書を先読みするデュアルタスクですが、実際にはどのようにすればよいでしょうか。

たとえば、授業の開始時は先生が本題に入らない場合があります。雑談です。または、前回の復習をするかもしれません。あるいは、始業のチャイムが鳴ってもすぐには先生は来ないかも知れません。授業開始の段階ではそんなに難しい話が出てこないので、先生の言葉を耳で聞きながら頭では別の作業ができるかも知れません。もしかすると5分や10分はあるでしょうか。この時間に教科書を先読みし始めるのです。

こうしてデュアルタスクのスタートダッシュができました。そしてこれはもはや予習です。予習をすると、その内容がわかってもわからなくても、正のスパイラルが発生します。

予習する

わかる楽しさ・面白さに気づく or わからない点が浮き彫りになる

↓            ↓

自然と勉強に身が入る or 授業に集中してわからない点を克服する

↓            ↓

更に自発的に教科書を読み進める=予習する

では、各教科でもう少し具体的に考えてみましょう。

国語のデュアルタスク

国語の場合、授業中に文章を先に読み進むという形になります。可能な限りどんどん前に進んでいきます。授業では取り上げないページも構わず読んでいきます。そうすることにより、偏りのない国語力が身につく助けになるでしょう。

わからない漢字が出てきたら、読みを調べて覚えましょう。わからない言葉が出てきたら、意味を調べて覚えましょう。電子辞書があれば素早く調べられるでしょうし、そもそも教科書に読みや意味が載っている場合も少なくありません。

いろいろな辞典・辞書のイラスト

数学のデュアルタスク

数学の場合、定義や定理や例題が挙げられて、よく考えて読めば独力でも分かる程度の説明がなされていますので、授業が始まったらすぐに頑張って読み進みます。例題や問題も解きながら進みます。章末の問題も全てやりましょう。

教科書に書いている内容がわからなければ、その部分は他の教科以上に一生懸命授業を聞きましょう。数学は積み上げていく教科ですので、わからない部分が出るとその先は更にわからなくなります。ですから、わからないと思ったら立ち止まってわかるまで頑張りましょう。どうしてもわからなければ、先生に聞く、友達に聞く、塾で聞く、家庭教師に聞く、親に聞くなどして、何としても理解できるように努めましょう。

英語のデュアルタスク

英語の場合、国語と似た感じになります。国語ほどスラスラは当然読めませんが、それでも可能な限り授業開始と同時にどんどん前に進んでいきます。わからない単語が出てきたら、意味を調べましょう。新出単語はたいてい教科書に意味が載っているでしょう。新しい文法も、例文が載せられているはずですので、理解できるまでよく読みましょう。

社会のデュアルタスク

社会の場合も国語と似た感じになりますが、覚えるべき事項や年代が多く出てきますので、十分に咀嚼しながら読み進みます

ある程度読み進んだら、暗記項目をピックアップしてその場で覚えてしまいます。授業が終わる前に、その覚えた点をもう一度セルフチェックするようにすると、定着率が上がるでしょう。

理科のデュアルタスク

理科の場合は、数学と社会をミックスした感じになります。計算が必要な分野は数学と同様に、暗記が必要な分野は社会と同様に行いましょう。

ゲノム編集のイラスト

デュアルタスクの継続

デュアルタスクに慣れてくると、授業中のちょっとした時間、たとえば問題を解くように時間が与えられたものの、みんなより早く終わって時間が余った時、なども即座に教科書の続きを読み進む作業に突入できるようになります。

そうすると、だんだん予習のストックができてきて、常に授業より先に教科書を読み進んでいる状態を保つことができます。そうなれば、家での予習は必要なくなり、他の活動に時間を充てられます。意欲的な生徒であれば、家では学校の勉強以外の学習をやってみよう、となるかも知れません。

授業に集中できなかったり、面白くなくてやる気が起きない場合

これを克服するのはかなり難しいかも知れません。

集中できない・面白くなくてやる気が出ない

→授業がわからなくなる

→更に集中できない・面白くなくてやる気がもっと下がる

この負のスパイラルから抜け出すのは非常に難しいものです。何とかして自力でモチベーションを上げる工夫をするか、親や教師が励ますかですが、やれることは限られています。

ただ、どうもがいても事態の改善はなかなか難しい場合は、この際一旦リセットしましょう。学年の初め、学期の初め、単元の初めを迎えるのを期に、新しいサイクルを作り出すことを考えましょう。新しいサイクルの開始時に、デュアルタスクに挑戦してみるのです。

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