学年が進むに連れて子供の勉強のレベルが上がり、親自身がついていくのが難しくなって教えることが困難になり、やがて子供の勉強は学校や塾・家庭教師に全てお任せ、という状況になることが多いことでしょう。しかし、親が子供の勉強に関わるかどうかは、その子の学業成績や良い学習習慣に大きく影響します。
教えるのは次第に困難になる
子供が小学生のうちは、時間が許す限り親が宿題を見てあげることができます。しかし中学生に差し掛かる頃には、内容が難しくなってきて状況が変わるかも知れません。何とか理解はできても、教えることには困難を覚えるという状況が生じえます。また、そもそも時間がなくて子供の勉強を見てやる余裕がない、ということもあるでしょう。
では上記の問題に直面した場合、どのように対処すると良いでしょうか。
教えるのはそもそも無理がある
親もかつては学生だったわけですから、小中学校の内容くらいは理解できて当然、と思っていた方もいるかも知れませんが、現実はそう甘くありません。親は ”かつて” 学生だったのです。はるか昔です。もう覚えていません。
しかも、学習内容や教える範囲は以前とはすっかり変わってしまっているかも知れません。他にも、問題に対するアプローチの仕方が変わっています。たとえば、台形の面積の公式などは現在教えられません。台形の面積は自ら考えて導き出すことが良いとされています。
このように、学校の先生や塾講師・家庭教師でもない限り、授業内容や範囲を把握して適切に教えることは困難です。では、どうすれば良いのでしょうか。
内容が難しくて教えられない時
そうです。難しくて教えられないのです。そのことを認めましょう。そして、他の関わり方を考えるのです。この話のタイトル通り、親は「子供の勉強に関わる」のです。必ず教えなければならないわけではありません。親は子供の勉強に関心を示すのです。
教えられなくてもできることは多くあります。
- 励ます
- 宿題を含めた勉強をやっているか、気にする
- 問題集の丸付けをする
- テストの点数を聞く
- 良い点を取った時は褒める
- 通知表(成績表)をよく読んで、コメントする
励ます
これはモチベーションを維持する基本です。子供だけでなく大人でも、人間誰しもそうです。やる気を失いかけた時、誰かの励ましで頑張り続けることができたという経験をしたことがあるでしょう。子供にはこれがより必要です。
宿題を含めた勉強をやっているか、気にする
「気にする」、に留めておくのが良いでしょう。小さいうちは、「確認する」方が良いかも知れません。ただ、「あ~しろ、こ~しろ」と言われ続けると、人は嫌気が差してくるものです。親は常にあなたに(またあなたの勉強に)関心があります、というメッセージが伝わる程度に、「気にする」ようにします。宿題が終わってから遊びに行く、などのルールを決めておくのも良いでしょう。
その逆に、勉強について一切口出ししない、と決めて何も言わないとどうなるでしょうか。自分は期待されていない、どんな点数をとっても親は関心がない、と思って徐々に意欲を失っていくでしょう。
問題集の丸付けをする
内容が難しくても、問題集の丸付けはできるはずです。とにかく関わる方法を探しましょう。
テストの点数を聞く、良い点を取った時は褒める
上で述べた「気にする」につながります。学年が上がるに連れ、テストの点数を聞かれると嫌がるようになるかも知れません。だからといってそのことについて何も言わないのは、その子にとって良いことではありません。関心を示してあげましょう。
テスト後に何も聞かなければ、頑張って点数が上がった教科があっても親は気づきません。子供としても、良い点を取ったことを報告したいという気持ちがあるものの、親がいつもテスト結果に無関心だと知っていれば、いちいちしゃべるのは格好悪いとさえ思って、何も言わないかも知れません。モチベーションが上がる絶好の機会なのに、もったいないことです。
通知表(成績表)をよく読んで、コメントする
これも、上で述べた「気にする」につながります。きっと褒めるべき点がいくつか見つかるでしょう。たとえ全教科の成績が下がっていたとしても、たとえば一度も休まずに学校に出席し続けた点を褒めることができます。何か褒めましょう。その上で今後頑張って欲しい点について話すなら、耳を傾けるかも知れませんし、改善するきっかけにすることができるかも知れません。
時間がなくて、勉強を見てやれないとき
これも同じです。この話のタイトル通り、親は「子供の勉強に関わる」のです。必ず教えなければならないわけではありません。親は子供の勉強に関心を示すのです。上記の6項目のうち、4~6はできるのではないでしょうか。
点数を聞いたり、褒めたり、コメントするのです。これならできるはずです。このようにして可能な限り関心を示すなら、物事は良い方向へと進むはずです。経験上、子供の成績や学習意欲は、親がどれほど子供に(また子供の勉強に)関心を払っているかに、かなりの程度関係してきます。
頑張って関心を示してあげましょう。