今日は、生徒が時間を効率的に使って学力UPを図るノウハウについて書こうと思います。鍵は学校の授業中の過ごし方です。
生徒が学校の授業で学ぶことを習得できない理由
多くの生徒は、学校の授業でやったはずの内容をあまり覚えていなかったり、理解していなかったりします。確かに、そういう生徒のおかげで家庭教師業が成り立っている側面はあります。しかしそのことに関しては、同じ内容を家庭教師や塾で教えてもらうという二度手間がとてももったいないな、効率が悪いな、という思いを常に持っています。
学校の授業で教えてもらったはずなのにそれを習得できていない理由としては、大きく分けて次の2つを挙げることができると思います。
- わからない点が発生し、途中から授業についていけなくなってしまった
- 授業に集中できなかった、もしくは授業が面白くなくて勉強する気が起きなかった
ではそれぞれ対策を考えてみましょう。
途中から授業についていけなくならないための方法─前編
予習する
取るべき対策は、予習をすることです。その日の授業範囲に入りそうな部分にあらかじめ目を通し、自力で理解するように努力します。この自力で考える、ということはとても重要です。下記の過去記事を参照してください。

予習なしで授業に臨むと、面白さを感じ損ねる
学校で受ける授業は時間の制限があるので、教師はどうしても手っ取り早く解法を教えようとしがちです(学校の先生を責めているのではありません。学校の先生は教える以外の業務も大変であることを承知しており、それゆえに尊敬もしています)。「解答に至るまでの興味深い考え方や仕組み」についてはすっ飛ばして、どうやれば最も短時間で答えを出せるかを指導します。
しかしこれをやり続けると、本来は興味深いはずの学習が、いかに早く答えを出すか、その方法を次々に覚えていくという無味乾燥の作業と化してしまいます。そうすると、「勉強は面白くない」という感覚が自然と湧き上がってくるのです。
予習をすると、面白さに気づく可能性が
予習の段階で、この「解答に至るまでの興味深い考え方や仕組み」に自分で気づき、その「ちょっと面白いかも」という経験が積み重なると、「勉強って面白い」という感覚が自然と湧き上がってくるのです。

人間は面白いと感じることについては、誰かに強要されなくても自発的に取り組むものです。誰しも自分が好きなことについては、時間を忘れて、時には食べるのも忘れてやり続けた、という経験があるのではないでしょうか。子どもたちであれば、テレビゲームやスマホのゲームをやり過ぎて親に怒られた、という経験があるでしょう。この現象が勉強に生じるようにするのです。
とは言え、勉強が面白すぎてやめられない!、というようなことは残念ながらそんなに頻繁には起こりません。それでも、全然面白くない勉強を誰かに言われて嫌々やるより、「ちょっと面白いかも」と思う勉強を自発的にやる方が頭がよく回転し、かけた時間に対する効果が高いということは容易に想像できます。また面白いと感じるなら、苦痛なく継続して行えるでしょう。
予習をすると、わからない所が浮き彫りになる
予習をすると、苦手な点やわからない点がはっきりしてくる、というメリットもあります。これがはっきりすると、生徒としては授業中のその部分を特に注意して聞けばよいわけです。結果、必要な部分での集中力UP + わからない所がわかるようになる(かも知れない)という効果が見込めます。
成績UPの肝は、このわからない点・苦手なところをいかにして潰すか、という所にあります。この点に関しては、別の機会に詳しく述べたいと思います。
予習によってわからない点がはっきりし、学校の授業でそこが克服できるかも知れないのですから、そしてそれは成績UPに直結するのですから、コストパフォーマンスがとても良い勉強法ということになります。
でも、予習を習慣づけるのは難しい
この、予習をする対策は簡単とも言えますし、難しいとも言えます。予習ができればこれまでに述べてきたような効果が見込め、物事が良い方向へと進み始むという意味で、てっとり早い簡単な対策です。
ところが、予習を習慣づけるのはとても難しいのです。かく言う私も小・中学校で予習をして授業に臨んだ記憶は殆どありません。さすがに高校では、しないとまずい授業の場合はやっていた記憶がありますが。
それでは、一体どうすれば良いでしょうか。

授業中、デュアルタスクに挑戦する
予習は効果的、でも家で予習する習慣は身につかない、それでどうするか。私が至った結論は、学校の授業中の時間をフル活用するというものです。
学校の授業は毎日6時間(実際には5時間)ほどありますので、この時間を活用しない手はありません。家での学習時間を自発的に6時間取ろうと思うと大変ですが、学校では強制的に6時間取れます。
どうやって学校の授業時間をフル活用するかと言うと、授業を聞きながら教科書を先読みするのです。つまりデュアルタスク(同時に二つの作業をすること)を脳に課すのです。難しそうに思えますが、実際にやってみると、できなくはないことに気づくでしょう。
次回に続きます。
