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問題がすぐに解けないときの対処法

子供や生徒が問題を解く際、答えや解法がすぐには思いつかず立ち往生する、ということがあります。そういう時、教え手はどのように対処すると良いでしょうか。

聞いてわかったつもりはNG

何かわからないことがあるとき、あなたならどうするでしょうか。今はインターネットに何でも載っている時代です。すぐにググるという感じでしょうか。わからないことをあれやこれや考え続ける、ということはあまりないでしょう。

子供たちも同じです。わからないことをあれやこれや考え続けるのはストレスです。エネルギーがいります。それで近くにいる親や教え手に、手っ取り早く答えを聞こうとします。それで解決です。子供はそう思います。

ところが、そんなやり方では学力は上がりません。答えを聞いてわかったつもりでも、実際にはそれは、「答えを述べる教え手の説明が理解できた」に過ぎないのです。以前に指摘したとおりです。

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では、どのようにすれば良いのでしょうか。

間違いを許容する

とにかくまずは自力で解くように勧めます。エネルギーがいりますが、自力で考えることは大事なステップです。とにかく頭と手を動かしてみるよう勧めます。どうしても無理なら、少しだけヒントを与えます。

その子にとっては難しい問題ですので、なかなか正解まではたどり着けないでしょう。

そのうち正しい道から逸れていくかも知れません。ここですかさず、「そうじゃなくて」と言いたくなりますが、我慢しましょう。そのまま見守り続けます。

 

生徒(勉強)
生徒

「・・・・・」

先生
先生

(あっ、間違えてる!教えてあげないと。)

先生
先生

(ダメダメ、しばらく見守ろう。)

生徒(勉強)
生徒

(何か、おかしいかな?)

先生
先生

どこがおかしいと思う?

生徒(勉強)
生徒

あっ、そうか!

しばらくすると、自分でも何かおかしいと気づきます。その時に声をかけます。「どこがおかしいと思う?」というような感じです。すると子供はやっぱりどこかがおかしいとわかり、どこから間違え始めたか考えます。そして間違いポイントが見つかるかも知れませんし、見つからないかも知れません。どうしても見つからなければ指摘してあげます。

この一連の手続きが成長につながります。自分で間違いを見つけて修正する訓練です。この力は重要です。テストのときは教えてくれる人がそばにいないので、すぐにはわからない問題に出会った時、途中から間違っているかも知れないと気づいた時、誰も助けてくれません。自分で解決しなければなりません。

普段からすぐに答えを教えてもらうような仕方で学んでいれば、本番で困ります。普段からすぐに間違いを指摘されてやり直すという習慣でいれば、本番で困ります。テストのときであれ、生きていく上で立ちはだかる別の壁であれ、自力で乗り越えていかなければなりません。その訓練をしてあげましょう。

間違いの指摘の仕方

どこが間違っているかわからない時、最初は自分で考えてもらいますが、どうしてもわからなければ指摘します。でも、その指摘の仕方も工夫しましょう。ピンポイントで、「ここがこのように間違っている」とは言わないほうが良いでしょう。「この辺が間違っているので、考えて」と言ったほうが良いでしょう。または、「ここが間違っているけど、どのように間違っているかは考えて」と言うこともできます。できるだけ自力で考える余地を残しましょう。

自分の間違いは自分ではなかなか気づかないものです。そして子供は同じ種類の間違いを何度もするものです。教え手はそのことにイライラして、「何回も言ったでしょ」という言うのではなく、「いつものアレかな?」と言うようにして、子供が自分で気づいて修正できるように促しましょう。これを繰り返していくうちに、自分はこの種の間違いを多くするので気をつけないと、と考えて問題に取り組むようになるでしょう。

カンペを出す人のイラスト

特に数学の場合は、一見間違っているように思えても、実は別解で解こうとしているということがあります。すぐに間違いを指摘する癖がついていると、せっかく独特の思考で正解に辿り着こうとしているのに、その良い芽を摘んでしまうことになります。子供がどのように考えてその思考を行っているのか、よく汲み取ってあげましょう。あながち全部間違っているわけではないことに気づくかも知れません。合っている考え方の部分は褒め、それを発展させ、正解まで導いてあげましょう。

解ける問題まで戻る

どうやっても歯が立たない問題の場合は、いくら考えてもヒントを与えても実のある結果は得られないでしょう。そういうときは、躊躇せず解ける問題まで戻ってみます

レベルを少しずつ下げて挑戦していき、解けるところまで来たらそれを基にして少し難し目の問題をどのように解いたら良いか一緒に考えます。ここからは逆にレベルを少しずつ上げて挑戦していくわけです。この手順を踏むうちに、子供にも教え手にも、どこからわからなくなってしまっていたのかが見えてきます。もつれた糸をほぐす時のように時間がかかるかも知れませんが、解け始めるとやる気が徐々に湧いてきて、最後まで頑張ろうと思えます。粘り強くやりましょう。

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