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かなり詳しい二次方程式の解き方─応用編②

前回は、「かなり詳しい因数分解の解き方─応用編①」を考えました。

 

今回はその続きです。

分数や小数が含まれる場合

分数が含まれる場合

こんな問題はどうでしょうか。

\[\frac{1}{4}x^2-\frac{1}{2}x-2=0\]

分数の計算は避けたいので、分数を無くす処理をします。方程式は両辺に同じことをするなら何算をしても(足しても引いても、掛けても割っても)大丈夫なので、

今回は両辺に 4 を掛けて整数化することにします。

\[4\times(\frac{1}{4}x^2-\frac{1}{2}x-2)=4\times0\]

\[\cancelto{1}{4}\times\frac{1}{\cancelto{1}{4}}x^2-\cancelto{2}{4}\times\frac{1}{\cancelto{1}{2}}x-4\times2=0\]

よって、

\[x^2-2x-8=0\]

因数分解して解きます。

\[(x+2)(x-4)=0\]

\[x+2=0,x-4=0\]

\[x=-2,4\]

小数が含まれる場合

では、同じようにこんな問題はどうでしょうか。

\[0.1x^2+x+2=0\]

小数の計算も避けたいので、小数を無くす処理をします。方程式は両辺に同じことをするなら何算をしても(足しても引いても、掛けても割っても)大丈夫なので、

今回は両辺に 10 を掛けて整数化することにします。

\[10\times(0.1x^2+x+2)=10\times0\]

\[x^2+10x+20=0\tag{1}\]

いつものように、因数分解して解こうとすると、「足して10、掛けて20」となる2数が見つかりません。そこで、満を持してアレの登場です。

解の公式を使います。

解の公式:二次方程式 \(ax^2+bx+c=0\) の解は、
\[x=\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}\]

式(1)を解の公式と比較すると、「 \(a=1、b=10、c=20\) 」になっているので、

\[x=\frac{-10\pm\sqrt{10^2-4\times1\times20}}{2\times1}=\frac{-10\pm\sqrt{100-80}}{2}=\frac{-10\pm\sqrt{20}}{2}\]

ここで、

\[\sqrt{20}=\sqrt{2^2\times5}=2\sqrt{5}\]

なので、

\[x=\frac{-10\pm\sqrt{20}}{2}=\frac{-10\pm2\sqrt{5}}{2}=\frac{\cancelto{-5}{-10}\pm\cancelto{1}{2}\sqrt{5}}{\cancelto{1}{2}}=-5\pm\sqrt{5}\]

となります。

約分の際の注意・・・

分母や分子に複数の項がある場合は、約分の際、全ての項について同じ処理をする必要があります。
上記のようなときは、分子に項が2つ(\(-10\) と \(\pm2\sqrt{5}\))、分母に項が1つ(\(2\))あるので、これらの3つの項全てを2で割る必要があります。分子の片方だけ約分して間違えてしまう子たちが続出していますので、注意しましょう。

置き換えると解きやすい場合

因数分解の問題のときと同様、置き換えると解きやすい問題もあります。

こんな問題です。

\[(x-5)^2+5(x-5)+4=0\tag{2}\]

この種の問題は、展開してから因数分解しても解けますが、手数を少なくするために置き換えます。

「 \(x-5=A\) 」と置くと式(2)は、

\[A^2+5A+4=0\]

因数分解して、

\[(A+1)(A+4)=0\]

よって、

\[A+1=0 または A+4=0\]

「 \(x-5=A\) 」で復元すると、

\[x-5+1=0 または x-5+4=0\]

ゆえに答えは、

\[x=4,1\]

平方根の考え方を用いる場合

因数分解をしないでも、また解の公式を使わないでも解ける問題があります。それは、平方根の考え方を用いる問題です。

こんな問題です。

\[(x-3)^2=5\]

「 \(x-3=A\) 」と置いても構いませんが、今回は脳内でそれを処理してみましょう。

両辺の平方根をとって、

\[x-3=\pm\sqrt{5}\]

よって答えは、

\[x=3\pm\sqrt{5}\]

となります。

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