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成功や合格につながる学習とは

新しい学期が始まって一ヶ月が過ぎようとしています。親御さんも含めて少しずつ緊張がほぐれてきているでしょうか。

今日は、どのようにすれば成功や合格につながる学習(様々な課題に対する取り組み方)ができるか、について書いてみようと思います。

生徒は答えをすぐに知りたがる

家庭教師を依頼してくる生徒たちの多くには、物事を自分で考える習慣が弱いという傾向が見られるように思います。中には1を聞いて10を知るとまではいかなくても、高い洞察力を示してこちらが教える前に頭の中で瞬時に試行錯誤し、ある程度正確な理解を自力で得ることのできる生徒もいます。

とは言え大半の生徒は、シンキングタイムが非常に短く、わからないと判断するとすぐに答えを知りたがります。または、問題の解き方を知りたがります。教え手としてはこのときにどう対応するかが重要です。すぐに答えや解き方を教えると、生徒はわかったつもりになりますが、それは本当にわかったのではなく、答えを述べる教え手の説明が理解できたに過ぎません

将来同様の問題に遭遇した時、答えを思い出せればいいですが、覚えていなければ全く歯が立たないという状況に陥ります。

とにかく自力で考えよう

そういう場合、教え手としてはどう対応するのが良いでしょうか。まずは、生徒がその時点でどのように考えているか、どこまでなら分かるかを聞き出します。こんな感じです。

 

生徒
生徒

先生、この問題わからん。

先生
先生

どこがわからん?

生徒
生徒

全然わからん。

先生
先生

どこまでならわかる?

生徒
生徒

○○あたりまで。

先生
先生

じゃあその後は、どう考えたら良さそう?

生徒
生徒

うーん。難しい。

先生
先生

頑張ってもうちょっと自分で考えて。それでも無理なら言って。

こうして、生徒ができるところまで自分で考えるように促します。その後、たいてい生徒はそれでもわからない、という流れになると思いますが、それでOKです。答えまでたどり着けなかったとしても、少なくとも自分で考える努力はできました。そこからは少しずつヒントを出して、正解までの過程を生徒自身が考えながら進んでいけるように励まします。

このようにするなら、将来同様の問題に遭遇した時、すぐに答えまでの道筋を思い出すことができなかったとしても、以前にやった思考の過程を思い出せれば、どうにかこうにか答えを自分で導き出せるかも知れません。

とにかく自分で考えるという行動様式は、養老孟司さんが書いた「バカの壁」の考え方にもつながってくると思います。

普段から、わからないことをそのままにしない

私がこのようになかなか答えを言わないと、普段から思考力を働かせる習慣のない生徒の場合は、だんだん考えるのが苦しくなってくるらしく、早く答えがもらえるように圧力をかけてきます。それでもなだめたりすかしたりしながら、何としても自力で答えまでたどり着けるように励まします。適度な休憩も入れたりします。

生徒がすぐに答えを求めようとする理由は、日常生活で何かわからないことがあった時、好奇心や探究心を持ってそれを調べるということをやっていないからではないかと考えています。わからないことや聞いたことのないことがあれば、その場ですぐ調べるか、少なくとも周りの大人に聞くということを習慣づけておくと、知識の量と幅が次第に広がり、やがて得た知識を糧にして知恵を働かせることができるようになってくるでしょう。インターネットやテレビで見聞きする話の、どれが正しくてどれが間違いかを自分で考えて判断できる人になるでしょう。

今では、図書館に行かなくても様々なことを簡単に調べることができますので、電子機器を大いに活用して新しい知識を得て欲しいものです。もちろんわからない言葉・漢字があれば、辞書で調べて欲しいとも思います。私はどちらかと言うと、電子辞書よりも紙の辞書を推奨します。その理由についてはまた別の機会に意見を述べたいと思います。

地質学者のイラスト

上述のように、普段から知識を増やし、思考力を働かせる訓練をしておくなら、別の場面でも役立つことでしょう。

 

受験生であれば、筆記試験後に課される面接試験で、日常生活での姿勢が役立つはずです。試験官は単なる知識を尋ねてくることはなく、知っている知識を元にして本人がどう考えているか、ということを聞いてくることでしょう。その時に、いつも好奇心や探究心を持って世界を見つめている生徒であれば、即座に頭を働かせて自分の考えを述べることができるかも知れません。或いは、その場で急に考えるのではなく、それまでに考えて頭の中にあるものをごく自然にアウトプットするだけで事足りるかもしれません。すごく簡単です。逆に、普段から思考力を働かせていない生徒は、とても難しく感じるでしょう。

社会人であれば、指示待ち社員ではなく、職場で能動的に動ける人になるでしょう。自分で考えて行動しようとする人は、信頼され、様々な責任が与えられていくことでしょう。

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