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初心者の辞書の使い方

今回は、辞書の使い方について考えてみたいと思います。

国語辞典の使い方

まずおすすめしたいのは、最初のうちは電子辞書ではなく紙の辞書を使うことです。確かに電子辞書は便利ですが、紙の辞書を使ってほしい理由がいくつかあります。

五十音の順番を覚える

何をのたまうかという向きもおありかも知れません。でも五十音の順番を正確に覚えていない子(小学生。中には中学生も(*_*))が意外と多いのです。紙の辞書で言葉を調べるように促すと、こちらの予想を遥かに凌駕する時間!をかけて調べるのです。というより、その言葉がなかなか見つからなくて、結局は見つけられないことも少なからずあるのです。

そういう場合は、五十音の順番をしっかり覚えることから始めます。そして、一つの言葉を調べるのにかなりの時間がかかりますが、それでも自分で調べるように励まします。教える側も辛抱強さが必要です。

辞書式配列を理解する

五十音の順番を覚えたら、紙の辞書を難なく使いこなせるようになるでしょうか。答えは NO です。この段階でも、依然としてこちらの予想を遥かに凌駕する時間をかけて調べることになります(中学生も(*_*))。なぜでしょうか。

たとえば、「予想」という言葉を調べるとします。先頭が「よ」なので、まずは「よ」のところを開きます。ここまではできます。その後が奇想天外です。何と、「よ」の欄の最初のページから「予想」が出てくるまでくまなく探そうとするのです。

このように調べる理由は、「よ」の後の文字も五十音の順番になっていることに気づいていないからです。「よあ~」から一語ずつ目で追っていき、「よそ~」までたどりついて、「予想」を見つけます。

こういう場合は、初回は自力で見つけるまで頑張って見守ります。そして、見つけられたら褒めて、褒めた後に、「もっと早く辞書を引くコツ知ってる?」などと質問してみます。あるいは、「辞書の言葉の並びには、ある法則性があるのを知ってる?」と質問してみます。褒められた後なので、子供はしばし考えます。最後に、辞書はいわゆる辞書式配列になっていることを教えます。

辞書の引き方がぎこちないと気づいた時点で作業を中断させて、すぐにやり方を教えるのではなく、なるべく自分で考えて解決するように促します。以前に指摘したとおりです。

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こうして、やっとまともに辞書が引けるようになります。

英和辞典の使い方

英和辞典の場合も同じです。最初のうちは紙の辞書を使うことをおすすめします。理由は以下の通りです。

アルファベットの順番を覚える

五十音の順番と同様、アルファベットの順番を覚えていない子は多いです。最初から電子辞書を使うと、電子辞書はアルファベットの順番が分からなくても引けるので、下手をすると永久に覚えないかも知れません。

ABCの歌などを教えてあげましょう。すぐに覚えられます。

辞書式配列を理解する

英和辞典でも、国語辞典のときと全く同じ現象が起きます。しかも、英和辞典を使うときのほうが頻度が高めです。力技で、順番にページをめくって目的の単語に辿り着こうとします。そしてよく通り過ぎます(*_*)

辞書式配列を意識して探したほうがよっぽど早く見つけられるということを、身をもって体験してもらいます。

発展編

アルファベットの順番を覚えたり、辞書式配列に慣れてきたら、辞書を本格的に使えるようになります。

簡単な単語ほどたくさんの意味が載せられています。その意味を一通り読んで、その単語が持つイメージを掴むように努めましょう。良い辞書には、「原義」とか「コアとなる意味」などの項目が最初の方に載せてあって、その単語が持つイメージを把握しやすいようになっています。その部分に特に注目しましょう。

和英辞典の使い方

日本語を英語にしようとして、英単語を調べるときに使うと思います。しかしできれば和英辞典は使わず、自分の知っている単語の範囲で、あるいは表現を変えて同じ内容の文になるように工夫して作文したほうが良いでしょう。

テストの際に英作文が出た場合、普通は辞書は使えません。そういう場合に慌てず対応できるように、普段は和英辞典は使わず、なんとか自力で作文できるように訓練しておくのが得策です。

どうしてもわからない場合は、辞書の力を借りましょう。

紙の辞書を使う他のメリット

ここまでで挙げたもの以外にも、紙の辞書を使うメリットがいくつかあります。

目的の言葉以外の言葉にも目が行く

紙の辞書で調べていると、目的の言葉の周辺の言葉にも自然と目が行き、その言葉にも興味が湧いて語彙が増える、という効果があります。面白いことに、注意散漫な子ほど別のことに目が行くという特性が良い方向に働いて、辞書調べが、たくさんの言葉を覚える絶好の機会となるのです。

一覧性に優れている

よく言われることですが、調べている言葉の用例や熟語、似た言葉を同じ紙面で一度に見渡せるので、学習効果が上がるというメリットがあります。

 

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