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かなり詳しい連立方程式の解き方─その1

中学2年生になって最初に学ぶ数学の新しい分野は、連立方程式です。今回は、誰でもできる連立方程式の解き方を解説したいと思います。

連立方程式もパターン化できる

文字が2つ(たいていは x と y)出てくる連立方程式も、中1で習った一次方程式と同じように、パターン化して解くことができます。

連立方程式の基本的な解き方は、こうです。

一文字消去して一次方程式に持ち込み、もう一文字は代入して求める。

一文字消去の方法は二通りあって、

  1. 加減法
  2. 代入法

のどちらかを利用します。

では加減法からやってみましょう。

加減法①・・・足すか引く→代入

一番単純な問題からいきましょう。
次のような問題はどうでしょうか。

\[\left\{\begin{array}{lc}2x + 4y = 1 & (1)\\2x + y = 10 & (2)\end{array}\right.\]

この問題の場合は、文字 x を消去するために、式(1)から式(2)を引くことにします。

\[\begin{array}{crc} & 2x + 4y = 1 & (1)\\-) & 2x + y = 10 & (2)\\── & ───────── &──\\ & 3y=-9 & \end{array}\]

両辺を 3 で割って、

\[\begin{array}{c}y=-3 & (3)\end{array}\]

式(3)を式(1)に代入して、

\[2x+4×(-3)=1\]

計算して、

\[2x-12=1\]

あとは、移項→計算→割る、です。

\[2x=1+12\]

\[2x=13\]

\[x=\frac{13}{2}\]

実は・・・

「式(3)を式(1)に代入して」と書きましたが、実は「式(3)を式(2)に代入」した方が少し楽に計算できます。やってみましょう。
式(3)を式(1)に代入して、\[2x+(-3)=10\]

この部分に掛け算が生じない分だけ楽です

あとは、移項→計算→割る、で同じです。

結局、あとの計算が一番楽そうな式に代入するほうがいいですよ、という話です。

従って答えは、

\[\left\{\begin{array}{l}x=\cfrac{13}{2}\\y=-3\end{array}\right.\]

完成です。

 

加減法①

2式を足すか引く→代入

加減法②・・・掛ける→足すか引く→代入

次は、ひと手間かける問題です。

\[\left\{\begin{array}{lc}2x + 3y = 6 & (1)\\-x-3y = 3 & (2)\end{array}\right.\]

先程のようにただ足すか引くかしても x や y が消えないので、一工夫します。

x か y のどちらかが消えるように、いずれかの式を数倍してやります。この問題の場合は、式(2)に2を掛けるするとうまくいきそうです。

式(2)を2倍すると、

\[\begin{array}{c}-2x-6y = 6 & (2′)\end{array}\]

この式(2’)を利用して x を消去するために、式(1)と式(2’)の両辺を足すと、

\[\begin{array}{crc} & 2x + 3y = 6 & (1)\\+) & -2x-6y = 6 & (2′)\\── & ───────── &──\\ & -3y=12 & \end{array}\]

両辺を -3 で割って、

\[\begin{array}{c}y=-4 & (3)\end{array}\]

式(3)を式(2)に代入して、

\[-x-3×(-4)=3\]

計算して、

\[-x+12=3\]

あとは、移項→計算→割る、です。

\[-x=3-12\]

\[-x=-9\]

\[x=9\]

従って答えは、

\[\left\{\begin{array}{l}x=9\\y=-4\end{array}\right.\]

完成です。

 

加減法②

一工夫必要な方程式の場合は、

一文字消去するために、どちらかの式を数倍する

→足すか引く→代入

加減法③・・・2回掛ける→足すか引く→代入

次は、ふた手間かける問題です。

\[\left\{\begin{array}{cc}5x + 2y = 16 & (1)\\-2x-3y = -13 & (2)\end{array}\right.\]

先程のようにどちらかの式を何倍かしても x や y が消えないので、もう一工夫します。

今回は y が消えるように、式(1)を3倍し、式(2)を2倍してやります。

それぞれ計算すると、

\[\left\{\begin{array}{rc}15x + 6y = 48 & (1)×3\\-4x-6y =-26 & (2)×2\end{array}\right.\]

何倍するかはこう決める・・・

今回は式(1)を3倍し、式(2)を2倍しましたが、その理由は、2 と 3 の最小公倍数は 6 なので、両式の y の係数が 6 になるように倍数を決めた、というものです。

x の方を消去しようとすると、5 と 2 の最小公倍数は 10 なので(1)を2倍し、式(2)を5倍して、x の係数が 10 になるようにする必要がありますが、できるだけ小さい数字で処理したいので、上記のように「式(1)を3倍し、式(2)を2倍」する方を採用しています。

ここで、両式を足すと、

\[\begin{array}{crc} & 15x + 6y = 48 & (1′)\\+) & -4x-6y =-26 & (2′)\\── & ─────────── &──\\ & 11x=22 & \end{array}\]

両辺を 2 で割って、

\[\begin{array}{c}x=2 & (3)\end{array}\]

式(3)を式(2)に代入して、

\[-2×2-3y = -13\]

計算して、

\[-4-3y=-13\]

あとは、移項→計算→割る、です。

\[-3y=-13+4\]

\[-3y=-9\]

\[y=3\]

従って答えは、

\[\left\{\begin{array}{l}x=2\\y=3\end{array}\right.\]

完成です。

 

加減法③

二工夫必要な方程式の場合は、

一文字消去するために、両方の式を数倍する

→足すか引く→代入

 

次回に続きます。

かなり詳しい連立方程式の解き方─その2
前回は「かなり詳しい連立方程式の解き方─その1」を取り上げました。 今回は「その2」です。 加減法④・・・整頓→掛ける→足すか引く→代入 次は、さらにもう一手間が必要な連立方程式です。 こんな問題です。 \...
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