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かなり詳しい方程式の解き方─その5

前回は「かなり詳しい方程式の解き方─その4」を取り上げました。

かなり詳しい方程式の解き方─その4
前回は「かなり詳しい方程式の解き方─その3」を取り上げました。 今回は「その4」です。 発展編①・・・括弧( )が含まれる方程式 まずは括弧( )が含まれる方程式です。そんなに難しくありません。 こんな感じの...

今回は「その5」です。

発展編④・・・小数・分数が含まれる方程式

発展編の最終段階に差し掛かりました。

こんな感じの問題はどうでしょうか。

\[1.3x-\frac{7-x}{3}= \frac{6}{5}x + 1\]

まず整数化です。
この際、小数と分数があるので厄介ですが、小数を分数と思って

\[\frac{13}{10}x-\frac{7-x}{3}= \frac{6}{5}x + 1\]

と考えると、分母の10・3・5の最小公倍数 30 を使えば良いことが分かり、

\[30×\frac{13}{10}x-30×\frac{7-x}{3}= 30×\frac{6}{5}x + 30×1\]

これを約分します。

\[\frac{\cancelto{3}{30}}{1}×\frac{13}{\cancelto{1}{10}}x-\frac{\cancelto{10}{30}}{1}×\frac{7-x}{\cancelto{1}{3}}= \frac{\cancelto{6}{30}}{1}×\frac{6}{\cancelto{1}{5}}x + 30\]

整理すると、

\[39x-10(7-x) = 36x + 30\]

展開して、

\[39x-70+10x = 36x + 30\]

整理して、

\[49x-70 = 36x + 30\]

いつものように、移項→計算→割る、を適用して、

\[49x-36x = 30+70\]

\[13x = 100\]

\[x = \frac{13}{100}\]

できました。

発展編④

小数・分数が含まれる方程式は、小数を分数と思って、

整数化→移項→計算→割る

発展編⑤・・・未知数以外の文字が含まれる方程式

注意・・・
この項目は、後半に中3の内容を含みます。

発展編の最後です。
未知数以外の文字が含まれる方程式は、どのように解くと良いでしょうか。

次のような問題を考えましょう。

\[ax+2b = 3x-4b+5\]

ここで、x は今までどおり未知数で求めるべきもの、a , b は定数とします。
この問題の肝は、ただの文字(=定数、今回は a と b)は数字と同じ扱いで処理するということです。

そうするといつものように、移項→計算→割る、です。

最初は移項、つまりx の項は左、数字(a , b の項を含む)は右にして、

\[ax-3x =-4b+5-2b\]

次は計算ですが、結局、同類項をまとめる(COMMENT参照)ということです。

\[(a-3)x =-6b+5\]

最後に、x の係数(a - 3)で割ると、

\[x = \frac{-6b+5}{a-3}\tag{※}\]

以上です。

違いに注意・・・
\[x = \frac{-6b+5}{a-3}\tag{※}\]
この式は、次の式とは異なります。
\[x =-\frac{6b+5}{a-3}\tag{※a}\]
なぜでしょうか。
分数の上下の数字を分ける長い「─」には、もれなく両端に括弧( )がついている」ということを前回述べました。(→複雑な分数の約分
ですから、(※a)は次のようになります。
\[x =-(\frac{6b+5}{a-3})\tag{※b}\]
つまり、
\[x =\frac{-(6b+5)}{a-3}\tag{※c}\]
結局、
\[x =\frac{-6b-5}{a-3}\tag{※d}\]
となってしまい、元の式(※)と比べると「5」の部分が「-5」となっていて、別物になっています。
\[x = \frac{-6b+5}{a-3}≠\frac{-6b-5}{a-3}\]
もう一点疑問が・・・
\[x =-\frac{6b+5}{a-3}\tag{※a}\]
は、なぜ
\[x =\frac{-(6b+5)}{-(a-3)}\tag{※e}\]
にならないのでしょうか。
(※e)の式はよく考えると、
\[x =\frac{(-1)×(6b+5)}{(-1)×(a-3)}\tag{※e}\]
ですから、
\[x =\frac{\cancelto{1}{-1}×(6b+5)}{\cancelto{1}{-1}×(a-3)}\tag{※f}\]
となり、結局、
\[x =\frac{6b+5}{a-3}\tag{※g}\]
となって、これも最初の式(※a)と比べると分数の直前の「-」が消えてしまっていて、別物になっています。
\[x =-\frac{6b+5}{a-3}≠\frac{6b+5}{a-3}\]
ちなみに、
\[x =-\frac{s}{t}=\frac{-s}{t}=\frac{s}{-t}\]
です。

 

発展編⑤

未知数以外の文字が含まれる方程式は、未知数以外の文字を数字と同じ扱いにして、

同類項をまとめて、移項→計算→割る

 

お疲れ様でした。
これで、どんな方程式(一次方程式)でも解けるようになりました。と思います。
おめでとうございます(^O^)/。

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