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かなり詳しい方程式の解き方─その2

前回は「かなり詳しい方程式の解き方─その1」を取り上げました。

かなり詳しい方程式の解き方─その1
中学1年生になって最初に壁にぶつかるかも知れない分野は、数学の方程式かもしれません。今回は、誰でもできる方程式の解き方を解説したいと思います。誰でもついてこられるようにかなり詳しく書いていますので、分かる人にはまどろっこしく感じると思います...

今回は「その2」です。

難易度③・・・移項→計算→割る

またまた少しだけ難易度がUPします。

\[ax + b = cx + d\]

この形式の方程式も、移項して「難易度①」の形式に持ち込むのですが、「難易度②-2」のときと同様に移項の方針として、

文字(未知数)の項は左辺へ、数字の項(定数項)は右辺へ

という原則に則って処理します。

例えば、

\[5x + 4 = 3x + 2\]

この問題の場合は、どのように解くと良いでしょうか。

最初の頃はよく間違えます・・・
\[5x + 4 = 3x + 2\]
この式を見て感覚的に、
\[9x = 5x\]とやってしまう生徒がいますが、これは間違いです。加減算(足し算と引き算)は、同類項(同じ種類のもの)同士しかできないことを確認してください。

まず移項します。このとき、「文字(未知数)の項は左辺へ、数字の項(定数項)は右辺へ」の方針で処理します。

わたしはよく、「文字は左、数字は右」と繰り返し唱えて教えます。本当に繰り返します。多い場合は1人の生徒に対して中学在学中に100回以上言います。

問題をもう一度思い出すと、

\[5x + 4 = 3x + 2\]

でした。これを移項します。

\[5x-3x= 2-4\]

ここで、両辺をそれぞれ計算します。

\[2x  =-2\]

このあとは、「難易度①」のときと同じです。

両辺を x の係数2 で割って(または、1/2 を掛けて)、

\[x =-1\]

です。

難易度③

\[ax + b = cx + d\]

このタイプの方程式は、移項したあと、計算して

\[(a-c)x = d-b\]

の形に直したあと、

両辺を x の係数 ( a - c ) で割る
\[x = \frac{d-b}{a-c}\]

難易度④・・・整数化(小数)→移項→計算→割る

今度はそれなりに難易度がUPします。小数が混じった方程式です。

例えば、

\[1.4x + 2 =-0.8\]

この形式の方程式は、まず小数が煩わしいので整数にしておきます。移項したくなりますが、まず整数化です。多くの生徒がこの順番を守らずに、最初に移項して小数の計算を頑張ってやろうとして計算間違いをし、失敗します。ちゃんと最初に整数化すると、これまで通りの方法で計算できます。

両辺を10倍して、

\[10 × (1.4x + 2) = 10 × (-0.8)\]

\[14x + 20 =-8\]

このように、小数が混じった方程式は10倍(小数第二位の項があれば100倍・・・)するとうまくいきます。

最初の頃はよく間違えます・・・
\[1.4x + 2 =-0.8\]
この式を見て、両辺を10倍しようとして感覚的に、
\[14x + 2 =-8\]
とやってしまう生徒がいますが(正しくは2ではなく20)、これは間違いです。両辺を何倍かするときは、全ての項(掛け算の塊)に対してそうしなければなりません。この問題の場合の項は、\[1.4x\text{、} +2\text{、}-0.8\]ですから、これら3つを全て10倍しなければなりません。

ここからは、これまで通りです。

\[14x + 20 =-8\]

先程はここまで進んでいました。

「文字(未知数)の項は左辺へ、数字の項(定数項)は右辺へ」移項するのですが、この問題の場合は左辺の20を右辺に移項するだけでOKですね。

\[14x =-8-20\]

計算して、

\[14x =-28\]

割ると、

\[x =-2\]

となります。

難易度④

小数が混じった方程式は、まず整数化する

具体的には、両辺を10倍、100倍、1000倍・・・

その後で、移項→計算→割る

 

次回に続きます。

かなり詳しい方程式の解き方─その3
前回は「かなり詳しい方程式の解き方─その2」を取り上げました。 今回は「その3」です。 難易度⑤・・・整数化(分数)→移項→計算→割る 今度は整数化の分数版です。 例えば、 \ この形式の方程式も...
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