前回は「かなり詳しい連立方程式の解き方─その1」を取り上げました。

今回は「その2」です。
加減法④・・・整頓→掛ける→足すか引く→代入
次は、さらにもう一手間が必要な連立方程式です。
こんな問題です。
\[\left\{\begin{array}{cc} 2y = 3x +6 & (1)\\11+5x =4y & (2)\end{array}\right.\]
このタイプの形が崩れた連立方程式は、どの式を何倍するかを考える前に事前準備をする必要があります。
両式共に、\(ax+by=c\) の形に整える必要があります。
この形にすべく、移項を駆使します。
x , y の項は左辺に、数字は右辺に移項して、
\[\left\{\begin{array}{cc} -3x+2y =6 & (1′)\\5x-4y=-11 & (2′)\end{array}\right.\]
まず、\(ax+by=c\) の形に整頓する
今回は y が消えるように、式(1’)を2倍して、
\[\left\{\begin{array}{cc} -6x+4y =12 & (1”)\\5x-4y=-11 & (2′)\end{array}\right.\]
両式を足すと、
\[\begin{array}{crc} & -6x+4y =12 & (1”)\\+) & 5x-4y=-11 & (2′)\\── & ─────────── &──\\ & -x=1 & \end{array}\]
すなわち、
\[\begin{array}{c}x=-1 & (3)\end{array}\]
式(3)を式(1)に代入して、
\[2y = 3×(-1) +6\]
計算して、
\[2y =-3+6\]
あとは、(移項→)計算→割る、です。
\[2y=3\]
\[y=\frac{3}{2}\]
従って答えは、
\[\left\{\begin{array}{l}x=-1\\y=\cfrac{3}{2}\end{array}\right.\]
完成です。
加減法④
形が崩れた連立方程式の場合は、
\(ax+by=c\) の形に整頓する
→掛ける→足すか引く→代入
加減法⑤・・・ちょっと難し目
ちょっと難し目の連立方程式をやってみましょう。
分数が入っている連立方程式です。
\[\left\{\begin{array}{lc} \cfrac{1}{2}y =-3+2x & (1)\\y+\cfrac{2}{3}x-8=0 & (2)\end{array}\right.\]
形が崩れている上に、分数が入っています。でも、これまで学んだ通りにやれば大丈夫です。
一次方程式の解き方の際に考えましたが、まずは整数化しましょう。
→分数の含まれる方程式の解き方
式(1)を2倍し、式(2)を3倍して、
\[\left\{\begin{array}{lc} \cancelto{1}{2}×\cfrac{1}{\cancelto{1}{2}}y =2×(-3)+2×2x & (1)×2\\3×y+\cancelto{1}{3}×\cfrac{2}{\cancelto{1}{3}}x-3×8=0 & (2)×3\end{array}\right.\]
整理して、
\[\left\{\begin{array}{lc} y =-6+4x & (1′)\\3y+2x-24=0 & (2′)\end{array}\right.\]
このあとは、先程の「加減法④・・・整頓→掛ける→足すか引く→代入」です。
まず整頓して、
\[\left\{\begin{array}{lc} -4x+y =-6 & (1”)\\2x+3y=24 & (2”)\end{array}\right.\]
x が消えるように、式(2”)を2倍して、
\[\left\{\begin{array}{ll} -4x+y =-6 & (1”)\\4x+6y=48 & (2”)×2\end{array}\right.\]
両式を足すと、
\[\begin{array}{crl} & -4x+y =-6 & (1”)\\+) & 4x+6y=48 & (2”)×2\\── & ─────────── &─────\\ & 7y=42 & \end{array}\]
7で割ると、
\[\begin{array}{c}y=6 & (3)\end{array}\]
式(3)を式(1’)に代入して、
\[6 =-6+4x\]
あとは、移項→計算→割る、です。
\[-4x=-6-6\]
\[-4x=-12\]
\[x=3\]
従って答えは、
\[\left\{\begin{array}{l}x=3\\y=6\end{array}\right.\]
完成です。
加減法⑤
分数が含まれる連立方程式の場合は、
整数化→ \(ax+by=c\) の形に整理
→掛ける→足すか引く→代入
次回に続きます。
