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かなり詳しい方程式の解き方─その1

中学1年生になって最初に壁にぶつかるかも知れない分野は、数学の方程式かもしれません。今回は、誰でもできる方程式の解き方を解説したいと思います。誰でもついてこられるようにかなり詳しく書いていますので、分かる人にはまどろっこしく感じると思いますが、その辺はご容赦ください。

方程式はパターン化できる

文字の登場によって、多くの子供たちはひとまず戸惑います。しかし、解き方さえ覚えれば必ず全て解けるようになります。方程式の解き方はパターン化できるので、やる気さえあれば誰でもできます。

では、簡単な問題から徐々に難易度を上げて、順番に解いていってみましょう。

難易度①・・・割るだけ

まずは最も簡単な方程式です。次の式のようなタイプです。

\[ax = b\]

両辺を、同じ数字(xの係数)で割るだけで答えが出ます。例えば次のような問題はどうでしょうか。

\[3x = 6\tag{1}\]

両辺をxの係数である3で割ると、つまり両辺に1/3を掛けると、

\[3x×\frac{1}{3}= 6×\frac{1}{3}\tag{2}\]

分数の掛け算は、分母同士・分子同士を掛け算しますから、わかりやすく書き直すと、

\[\frac{3x}{1}×\frac{1}{3}= \frac{6}{1}×\frac{1}{3}\tag{3}\]

この部分の計算が上手にできない子たちが多くいます。(2)の式を見て、分母と分子をかけたり、単に左右の項をくっつけて帯分数のような表記にしてみたり。それで、この部分をポイントとして強調してみました。

左辺を3で約分し、右辺も3で約分すると、

\[\frac{\cancelto{1}{3}x}{1}×\frac{1}{\cancelto{1}{3}}= \frac{\cancelto{2}{6}}{1}×\frac{1}{\cancelto{1}{3}}\tag{4}\]

整理すると答えになります。

\[x = 2\tag{5}\]

慣れてくるとすぐに、上記のような多くのステップを踏むことなく、次のように(1)から(5)へと一気にジャンプして答えをだすことができるようになります。

\[3x = 6  →  x = 2\]

ただ、このステップをよく理解しておくことは重要で、これは、答えが分数になるような問題のときにしっかり解答までたどり着くことができるかどうかに影響します。

難易度①

\[ax = b\text{・・・・・例:}3x = 6\]

このタイプの方程式は、

両辺を x の係数 a (例:3)で割る
\[x = \frac{b}{a}\text{・・・・・例:}x = \frac{\cancelto{2}{6}}{\cancelto{1}{3}} = 2\]

です。

難易度②-1・・・移項→割る

次はほんの少しだけ難易度がUPします。

\[ax-b = 0\]

この形式の方程式は、移項して「難易度①」の形式に持ち込みます

例えば、

\[4x + 8 = 0\]

この問題の場合は、どのように解くと良いでしょうか。

左辺にある8を右辺に移項します。

\[4x  =-8\]

移項の解説・・・
\[4x + 8 = 0\]
まず両辺に -8 を足して(または、8 を引いて)、
\[4x + 8-8= 0-8\]
これを整理して、
\[4x  =-8\]
結果、左辺にあった「+8」が、右辺に移って「-8」になった

このあとは、「難易度①」のときと全く同じです。

両辺を x の係数4 で割って、

\[\frac{\cancelto{1}{4}x}{\cancelto{1}{4}} = \frac{\cancelto{-2}{-8}}{\cancelto{1}{4}}\]

または、両辺に1/4 を掛けて、
\[\frac{\cancelto{1}{4}x}{1}×\frac{1}{\cancelto{1}{4}}= \frac{\cancelto{-2}{-8}}{1}×\frac{1}{\cancelto{1}{4}}\]

整理すると答えになります。

\[x =-2\]

難易度②-2・・・移項→割る(その2)

次もまたほんの少しだけ難易度がUPします。

\[b = ax\]

この形式の方程式も、移項して「難易度①」の形式に持ち込むのですが、移項の方針として、

文字の項は左辺へ、数字の項は右辺へ

という原則に則って処理します。

例えば、

\[12 =-3x\]

この問題の場合は、どのように解くと良いでしょうか。

まず移項します。左辺の12を右辺に移項して、

\[0=-3x-12\]

左辺の12を移項したときに、左辺の数字が消えてなくなり、
\[ =-3x-12\]
となって、どうしたら良いかわからなくなる生徒がいますが(かなり多数!)、上述の「MEMO」のように考えると分かるように、左辺は「0」となります。

更に移項します。右辺の-3x を左辺に移項して

\[3x  =-12\]

このあとも、「難易度①」のときと全く同じです。

両辺を x の係数3 で割って、

\[\frac{\cancelto{1}{3}x}{\cancelto{1}{3}} = \frac{\cancelto{-4}{-12}}{\cancelto{1}{3}}\]

または、両辺に 1/3 を掛けて、
\[\frac{\cancelto{1}{3}x}{1}×\frac{1}{\cancelto{1}{3}}= \frac{\cancelto{-4}{-12}}{1}×\frac{1}{\cancelto{1}{3}}\]

整理すると答えになります。

\[x =-4\]

です。

難易度②

\[b = ax\text{・・・・・例:}12 =-3x\]

このタイプの方程式は、移項したあと、つまり

\[ax = b\text{(または}-ax =-b\text{)・・・・・例:}3x =-12\]

の形に直したあと、

両辺を x の係数 a(または-a)(例:3)で割る
\[x = \frac{b}{a}\text{・・・・・例:}x = \frac{\cancelto{-4}{-12}}{\cancelto{1}{3}} =-4\]

 

次回に続きます。

かなり詳しい方程式の解き方─その2
前回は「かなり詳しい方程式の解き方─その1」を取り上げました。 今回は「その2」です。 難易度③・・・移項→計算→割る またまた少しだけ難易度がUPします。 \ この形式の方程式も、移項して「難易度①」...
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