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日常の生活で身につける─国語の力─その1

勉強に関しては、とかく学校任せや塾・家庭教師任せになってしまいがちです。しかし、親が子供の勉強に関わるかどうかは、その子の学業成績や良い学習習慣に大きく影響します。

子供の勉強に関わる
学年が進むに連れて子供の勉強のレベルが上がり、親自身がついていくのが難しくなって教えることが困難になり、やがて子供の勉強は学校や塾・家庭教師に全てお任せ、という状況になることが多いことでしょう。しかし、親が子供の勉強に関わるかどうかは、その...

今回は、国語の力を日常の生活で身につける方法について考えてみましょう。

4つの力を身につける

国語を含めた言語の習得に関しては、「読む力」「書く力」「聞く力」「話す力」に分けて考えると良いと思いますので、その方向で進めましょう。

読む力

子供の年齢別にできることを考えてみましょう。

就学前

読解力を高めるためには、たくさん読む必要があります。小さいうちから本を読む習慣があると、大人になっても本好きである可能性は上がります。本好きの人はそうでない人に比べていろいろなことを知っていて、自分の考えを持っているものです。そういう人になりたい、またなって欲しいと思うのではないでしょうか。

とは言え、幼児の場合は字が読めませんので、読み聞かせをすることになります。親にとっては多くの時間と労力を必要とする課題となり得ますが、子供の豊かな人生と深い関わりを持つ事柄ですので、是非意欲的に取り組んでみましょう。本の内容によっては子供の積極的な反応が見られる場合もあるので、続けてやっているうちにやりがいも出て来るはずです。

さらに本の内容によっては、特に感動系の場合、読み手自身が感極まって目に涙を浮かべながら(号泣=声を上げて泣く、ではありません!この言葉は昨今は間違って使われていますので注意)+ 声を震わせながら読む、ということもあるかも知れません。その様子を見た子供は、読書というものは人に感動を与えることのできる魅力的な知的活動であることを理解してゆくことでしょう。私自身がそうでした。

泣きながら本を読む人のイラスト(男性)

小学生

読解力を高めるためには、やはりたくさん読む必要があります。学校に上がって字が読めるようになると、今度は自分で読むように促すことにします。もちろん無理強いはしません。子供が読みたいと思うようにもっていくのです。そのための前準備としても、やはり就学前の読み聞かせは欠かせません。

子供が本を読みたいと思うようにするにはどうすれば良いでしょうか。図書館に連れて行きましょう。これは就学前からでもどんどんやってみてください。読み聞かせをして本に対する関心が培われていてば、面白そうだと思う本を子供は勝手に選んでくることでしょう。図書館の利用は、親にとっては費用がかからないので助かりますしね。

図書館では、親自身も本を借りることにします。自分が読みたいと思う本です。子供は親のまねをするものですので、図書館へ行って好きな本を借りて家で読む、という親の姿勢を真似て自分も本を読むぞ、という流れに自然に向かうことでしょう。親自身が借りてきた本を興味深そうに読むなら、子供も図書館で本を借りて読むことは楽しいことなんだというイメージを無意識のうちに持つことになることでしょう。

新聞

インターネットが普及していますので、わざわざ新聞を取ることはないというご家庭が多いかも知れません。ただ、活字を紙面で読むことは文字に親しむ上で重要なステップのように思います。それで、子供のためにもなるべく新聞を取って読むことをお勧めします。

先程も述べたように子供は親のまねをするものです。親が毎朝いの一番に新聞を読んでいる姿を日々目にすると、字が読めるようになった子供は自分でも何が書いてあるか読んでみたいと思うようになるかも知れません。そのうち、テレビ欄や、男の子の場合はスポーツ欄しか見ないようになるかも知れませんが、それでも良しとすることができます。

新聞の良いところは、容赦なく漢字が使われているところです。大人用の文章を見て、知らない漢字を知る機会を与えることになります。別の良いところは、様々な話題が同じ紙面に散りばめられている点です。自分の関心のある記事を見つけて読んだ後、その周辺にも目が行って、これまで関心がなかったことにまで知的好奇心が及ぶという効果も期待できます。

中学生以降

読解力を高めるためには、引き続きたくさん読む必要があります。しかし小学生までに本を読むことに苦手意識などなく、読書は面白いというイメージが定着していれば、親の声かけがなくても本人が自動的に本を選んで読んでいくことでしょう。そうなると、親としてはその環境づくりをするだけでOKです。

できることは、自宅に図書を整えることです。できるだけ様々な分野の本を置いておくと良いでしょう。子供はその中から好きな時に好きなテーマの本を選べます。子供の可能性は無限にあるので、親が思ってもみない分野の本に興味を示すということもあります。そうなれば、その分野の本を他にも自分で手に入れようとするでしょう。それで、子供の年齢にしてはちょっと早いと思えるものでも、積極的に蔵書に加えましょう。これは、小学校の中学年ころから揃え始めても良いかもれません。

親が読んで面白かった、ためになった、印象に残っている、といった本を推薦することもできます。ただそのためには、親が本をよく読んでいる必要がありますね。

次回に続きます。

日常の生活で身につける─国語の力─その2
前回は、「日常の生活で身につける─国語の力─その1」で、読む力の養い方について考えました。 今回はその続きで、「書く力」「聞く力」についてです。 書く力 書く力には、「語彙力」「思考力」が不可欠でしょう。順番に取り...
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