前回は、「かなり詳しい因数分解の解き方─基本編」を考えました。

今回はその応用編です。
共通因数 + 因数分解の公式
共通因数でくくってから、因数分解の公式を適用する問題です。
因数分解の問題を解く際の鉄則として、以下のことを頭に入れておく必要があります。
まず共通因数でくくる→因数分解の公式を使う
共通因数 + 因数分解の公式①
では実際にやってみましょう。
\[ax^2-5ax+4a=?\]
まず共通因数を探します。すると、「 \(a\) 」が共通因数であることが分かります。
それで、「 \(a\) 」でくくることにします。
\[ax^2-5ax+4a=a(x^2-5x+4)\]
すると、括弧( )の中が見慣れた形になっています。因数分解できそうです。
今回は、因数分解の公式①です。
「足して-5、掛けて4」になる2数を探せばよいということになりますが、それは「-1と-4」です。
それで、こうなります。
\[ax^2-5ax+4a=a(x^2-5x+4)=a(x-1)(x-4)\]
これで完成です。
共通因数 + 因数分解の公式②平方
同様に、まず共通因数を探す問題をやってみましょう。
\[3ab^2+6ab+3a=?\]
まず共通因数を探します。すると、「 \(3a\) 」が共通因数であることが分かります。
それで、「 \(3a\) 」でくくることにします。
\[3ab^2+6ab+3a=3a(b^2+2b+1)\]
すると、括弧( )の中が見慣れた形になっています。今回も因数分解できそうです。
ちなみに、共通因数でくくったあとは因数分解できるようになっています。出題者は当然そういうふうに作りますよね。
今回は、因数分解の公式②平方です。
「2倍して2、2乗して1」になる数を探せばよいということになりますが、それは「1」です。
それで、こうなります。
\[3ab^2+6ab+3a=3a(b^2+2b+1)=3a(b+1)^2\]
これで完成です。
共通因数 + 因数分解の公式③和と差の積
最後にもう一問、共通因数を探す問題をやってみましょう。
\[8xy^2-2x=?\]
まず共通因数を探します。すると、「 \(2x\) 」が共通因数であることが分かります。
それで、「 \(2x\) 」でくくることにします。
\[8xy^2-2x=2x(4y^2-1)\]
すると、括弧( )の中が見慣れた形になっています。またまた今回も因数分解できそうです。
今回は、因数分解の公式③和と差の積です。
「2乗して4y2」と「2乗して1」になる数を探せばよいということになりますが、それはそれぞれ「2y」と「1」です。
それで、こうなります。
\[8xy^2-2x=2x(4y^2-1)=2x(2y+1)(2y-1)\]
これで完成です。
次回に続きます。