前回は、「かなり詳しい二次方程式の解き方─基本編②」を考えました。

今回はそのつづきで、平方根を使ったり、解の公式を利用して解く問題です。
平方根の利用
まず、答えに平方根が出てくる問題です。
やってみましょう。
\[x^2=5\]
これは、考え方としては二通りの解き方があります。
まずは単純に、「2乗して5になるのは \(\pm\sqrt{5}\)」だから、
\[x=\pm\sqrt{5}\]
と答えることができます。
または、「因数分解の公式③和と差の積」も使えます。
右辺を左辺に移項して、
\[x^2-5=0\]
左辺を因数分解して、
\[(x+\sqrt{5})(x-\sqrt{5})=0\]
というわけで、
\[x=\pm\sqrt{5}\]
です。
最初のほうがステップが少なく済んでいいですね。
解の公式の利用
因数分解が難しい問題がある
次のような問題はどのように解くと良いでしょうか。
\[x^2+5x+5=0\]
「因数分解の公式①」を使おうと思って、「足して 5 、掛けて 5 」になる2数を探そうとしても、見つかりません。それで途方に暮れるわけです。
こういうような問題の解き方について考えます。
解の公式
因数分解ができないような二次方程式の解き方として、力技で公式を当てはめて答えてしまう、というやり方があります。少し込み入っていて頑張って覚える必要がありますが、この公式は万能なので是非覚えて使って下さい。次のようなものです。
\[x=\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}\]
たとえば、こんな問題を解の公式を使って解くことができます。
\[2x^2+3x-4=0\]
この式を公式と見比べると、「 \(a=2、b=3、c=-4\) 」になっているので、
\[x=\frac{-3\pm\sqrt{3^2-4\times2\times(-4)}}{2\times2}=\frac{-3\pm\sqrt{9+32}}{4}=\frac{-3\pm\sqrt{41}}{4}\]
となります。
\(x=\cfrac{-3\pm\sqrt{41}}{4}\) とは・・・
\[x=\frac{-3+\sqrt{41}}{4},\frac{-3-\sqrt{41}}{4}\]
ということです。
解の公式の公式の覚え方・・・
解の公式の覚え方を語呂合わせを使って考えてみましたが、良いのが思い浮かびません。それで原始的ですが素直に、「エックス イコール ニーエーブンノマイナスビー プラスマイナスビーニジョウ マイナスヨンエーシー」と何度も唱えて覚えましょう。
解の公式の使い時
先程書いたように解の公式は万能ですが、この公式を使わないほうが幸せな時もあります。こんな問題はどうでしょうか。
\[x^2-3x+2=0\]
実はこれは、「因数分解の公式①」を使って、
\[(x-1)(x-2)=0\]
となりますから、
\[x=1,2\]
が解となります。
しかし、これを解の公式に当てはめて解くとどうなるでしょうか。
この式を公式と見比べると、「 \(a=1、b=-3、c=2\) 」になっているので、
\[x=\frac{-(-3)\pm\sqrt{(-3)^2-4\times1\times2}}{2\times1}=\frac{3\pm\sqrt{9-8}}{2}\]\[=\frac{3\pm\sqrt{1}}{2}=\frac{3\pm1}{2}=\frac{3+1}{2},\frac{3-1}{2}=\frac{4}{2},\frac{2}{2}=2,1\]
となり、答えは同じですが大変多くのステップを踏む必要が生じます。
ですから、因数分解の公式を使って解ける場合はなるべく因数分解して解くようにしましょう。
次回に続きます。