因数分解や2次方程式を解くための基礎となる、分配法則と乗法公式を取り上げましょう。
分配法則
まずは分配法則です。
分配法則①
最も基本的な分配法則は以下の通りです。
\[a(b+c)=ab+ac\]
これは問題ないでしょう。
例えば、
\[2(x+3)=2x+6\tag{1}\]
\[3(y-4)=3y-12\tag{2}\]
となります。
分配法則を適用する際は全て、項に付属している符号(+や-)もセットで考えます。
つまり、式(1)の場合は \(+2\) に \(+x\) と \(+3\) を掛けるので \(2x+6\) になり、式(2)の場合は \(+3\) に \(+y\) と \(-4\) を掛けるので \(3y-12\) になります。
分配法則②
こちらが、しっかり覚えておくべき分配法則のいわば公式となるものです。
\[(a+b)(c+d)=ac+ad+bc+bd\]
これは、以下のようなイメージです。

たとえば、
\[(x+2y)(z+3)=xz+3x+2yz+6y\]
となります。
また、上記HINTで取り上げたように、項に付属している符号(+や-)もセットで考えるべきことを意識するなら、以下のような問題も符号を間違えることなく解けます。
たとえば、
\[(2x+3)(-y-4)=(+2x)✕(-y)+(+2x)✕(-4)+(+3)✕(-y)+(+3)✕(-4)\]
従って、
\[(2x+3)(-y-4)=-2xy-8x-3y-12\]
となります。
乗法公式
続いて乗法公式です。
とりあえず3種類に分類して覚えます。
乗法公式①
最もよく使う乗法公式はこれです。
\[(x+a)(x+b)=x^2+(a+b)x+ab\]
これは、以下のようなイメージです。

たとえば、
\[(x+2)(x+3)=x^2+(2+3)x+2✕3=x^2+5x+6\]
となります。
さらにまた、上記HINTで取り上げたように、項に付属している符号(+や-)もセットで考えるべきことを意識するなら、以下のような問題も符号を間違えることなく解けます。
たとえば、
\[(x+3)(x-4)=x^2+(3-4)x+(+3)✕(-4)=x^2-x-12\]
となります。
乗法公式②平方
次は平方の乗法公式です。
\[(x+a)^2=x^2+2ax+a^2\]
\[(x-a)^2=x^2-2ax+a^2\]
これは、以下のようなイメージです。

たとえば、
\[(x+3)^2=x^2+2✕3✕x+3^2=x^2+6x+9\]
となります。
さらにまた、上記HINTで取り上げたように、項に付属している符号(+や-)もセットで考えるべきことを意識するなら、以下のような問題も符号を間違えることなく解けます。
たとえば、
\[(x-4)^2=x^2+2✕(-4)✕x+(-4)^2=x^2-8x+16\]
となります。
乗法公式③和と差の積
次は和と差の積です。
\[(x+a)(x-a)=x^2-a^2\]
これは、以下のようなイメージです。

\(a^2\)の符号は必ず「-」ですので、間違えないようにしましょう。
たとえば、
\[(x+3)(x-3)=x^2-9\]
となります。
次回に続きます。