前回は、「日常の生活で身につける─国語の力─その2」で、書く力と聞く力の養い方について考えました。

今回はその続きで、「話す力」についてです。
話す力
「聞く力」という土台の上に、「話す力」を築いていくことができます。上手な話し手になるためには、自分の感じたことや考えたことを筋道立てて話すことができるようにならなければなりません。どうすれば良いでしょうか。
やはり、5Wと1H
子供の話す力をUPさせるために日常的にできることは、親を相手に話す時に、その話し方に注意をしてあげるということでしょう。よく言われる5Wと1Hが大事だということを気付かせます。
- WHO = 誰が
- WHEN = いつ
- WHERE = どこで
- WHAT = 何を
- WHY = なぜ
- HOW = どのように
これらが話の中に無いと相手に伝わりません。子供の話の中でこれらが欠けている場合、そして何を言っているのか明確に理解できない場合、そのことを指摘してあげます。もちろん、いらいらして、「もう、何言っているのかわからない!」というような言い方はダメです。「そうなの。それで誰の話?」とか「へえ。それでいつの話?」とか「なぜそう思ったの?」というような感じです。こうすることにより、子供は自分の話が受け入れられていると感じることができると共に、話す際には5Wと1Hを入れなければ聞き返されてしまう、つまりはそれらを話の中に入れないと相手に伝わらないのだ、ということを理解していくことでしょう。
あなたはどのタイプ?
以前見たテレビ番組で、情報のインプットとアウトプットの人によって異なる特性について、その分野の専門家が興味深いことを述べていました。
インプットつまり情報の取り入れ方→聞いて理解する方法は大別して2つあり、
- 右脳型インプット = 全体的・直感的・絵画的な理解
- 左脳型インプット = 分析的・論理的・言語的な理解
のどちらか寄りであると考えることができるようです。そしてこのタイプの見分け方について面白い方法が紹介されていました。両手の指を組んだ時、上になる方がどちらであるかで見分けるというものです。右指が上なら左脳型インプットタイプ(体の右側は左脳と関係が深いので)、左指が上なら右脳型インプットタイプ(体の左側は右脳と関係が深いので)となります。みなさんはどちらでしょうか。
同様にアウトプットつまり情報の出し方→人に話す方法は大別して2つあり、
- 右脳型アウトプット = 全体的・直感的・絵画的な話し方
- 左脳型アウトプット = 分析的・論理的・言語的な話し方
のどちらかです。このタイプの見分け方は、両腕を組んだ時、上になる方がどちらであるかというものです。右腕が上なら左脳型アウトプットタイプ、左腕が上なら右脳型アウトプットタイプとなります。今度はみなさんはどちらでしょうか。
典型的な右脳型アウトプットの話し手は、全体的・直感的に話す人ということになります。この話し方は、他の人にない変わった表現に聞こえるかも知れません。それで、うまく転べばユニークな話し手、聞いていて面白い話し手となるかも知れません。しかし裏を返すと、感覚的・直感的に話す人なので、何が言いたいのかさっぱりわからない、というようなことにもなりかねません。
ここはひとつ、オーソドックスな左脳型アウトプットを目指すのはどうでしょうか。論理的な話し手です。もしかすると面白みに欠くかも知れませんが、考えを相手に理解してもらえるような話し方をする方が、ユニークな話し方ができることよりも優先度が高いでしょう。
教え手として有利なのは、
右脳型インプット + 左脳型アウトプット
ではないでしょうか。物事を直感的・全体的にとらえ、人に話すときは論理的・説明的に話すのです。私は、さきほどの腕組みと指組みチェックで、手前味噌ですが幸いにもこのタイプだったのでほっとしました。ただこのチェックテストは、人の体型や手の形等にも大きく影響されると思いますので、一種の可能性を示すテストに過ぎず、あまり深く考えないほうが良いかも知れません。簡単にできて興味深いテストだったので取り上げてみました。
結局
日常生活で国語の力を身につけるには、結局のところ、親子のスムーズなコミュニケーションが大事ということになりそうです。「量より質」とよく言われますが、特に小さいうちは「とにかく量、その上で質」と言っても過言ではないかも知れません。国語だけでなく言語を身につけようとする場合は、そして特に初心者の場合は、これが押し並べて当てはまるのではないでしょうか。