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日常の生活で身につける─国語の力─その2

前回は、「日常の生活で身につける─国語の力─その1」で、読む力の養い方について考えました。

日常の生活で身につける─国語の力─その1
勉強に関しては、とかく学校任せや塾・家庭教師任せになってしまいがちです。しかし、親が子供の勉強に関わるかどうかは、その子の学業成績や良い学習習慣に大きく影響します。 今回は、国語の力を日常の生活で身につける方法について考えてみ...

今回はその続きで、「書く力」「聞く力」についてです。

書く力

書く力には、「語彙力」「思考力」が不可欠でしょう。順番に取り上げましょう。

語彙力

つまりボキャブラリーです。書きたいことや考えていることがあったとしても、それを読み手に伝わるように書かなければなりません。豊かな語彙力があれば、豊かな表現力につながり、読み手にその思いを伝えることができます。では、子供が様々な種類の言葉を習得していくには何が必要でしょうか。

まずは親子の普段の会話から始めることができます。たくさん話しかけ、たくさん聞いてあげましょう。学校に上がったら、帰宅後に一日の出来事を聞いてあげます。その日の出来事について子供が話している中で、欠けている語彙を見つけたらその度に、「そういうのを、○○っていうんだよ」と教えてあげましょう。子供は徐々に語彙を増していくことができます。子供の年齢にしてはまだ早いと思える言葉であったとしても、どんどん教えます。子供はどんどん吸収します。

語彙を増やすには、読書が最適です。「読む力」で考えたように、たくさん読むと良いでしょう。新聞もあれば更に良しです。

また、わからない漢字はその都度辞書で調べるように励ましましょう。小さいうちから自分で調べる習慣を身に着けさせます。辞書の使い方については、また後日書いてみたいと思います。

思考力

語彙が豊富であるだけでは、「書く力」を発揮できません。自分が得た知識に基づいて思考力を働かせ、自分の考えや意見を生み出さなければなりません。どうすれば思考力が活発に働く人になれるでしょうか。

これは語彙力UPにも関係することですが、たとえば子供が、「○○ってどういう意味?」と聞いてくるとき、思考力を育てる大チャンスと見ることができます。こういう場合は後回しにせずにすぐに教えます。ただし、教え方も一工夫しましょう。子供の成長段階に合わせて、すぐに意味を答えるのではなく、それまでに知っている言葉から連想できるようなヒントを出したり、辞書を調べるように促したりしていきます。インターネットを調べてみるようにも提案できます。このあたりの教え方については、過去記事が参考になります。

成功や合格につながる学習とは
新しい学期が始まって一ヶ月が過ぎようとしています。親御さんも含めて少しずつ緊張がほぐれてきているでしょうか。 今日は、どのようにすれば成功や合格につながる学習(様々な課題に対する取り組み方)ができるか、について書いてみよう...

鍵は、「とにかく自分で考える」習慣を身につけさせることです。これまでの知識を元に、知恵を働かせて問題を解決する能力を磨くのです。

小さいうちは好奇心が豊富で、知らないことに対する羞恥心も皆無ですので、「○○って何?」とよく聞いてきます。この時、「忙しいからあとでね。」と答えてしまうのは非常にもったいないことです。街を歩いていて親子の会話でこの種のやり取りを耳に挟むと、「あー、もったいない」とよく思います。子供が成長する絶好の機会を摘んでしまっているように思えるからです。

とても難しい問題について質問されることもありますが、できる限り答えてあげましょう。「もっと大きくなってから教えてあげるね。」と答えるのも是非避けたいところです。説明を聞いている子供の顔を見て、わかっていないように思えることがあるでしょうか。仮にそのときにはわからなくても、もう少し成長した時にその時の会話の断片を覚えていて、教えてもらった説明を理解できる時が来るかも知れません。この点ではできるだけ妥協せず、粘り強くあって欲しいと思います。

聞く力

人の話を聞いて正しく理解することは、コミュニケーションを円滑に行うために欠かせません。どのようにこの力を培うことができるでしょうか。

たとえば私の小学1年生の時の担任は、「人の話を聞くときは、相手の目を見ながら聞きなさい」と教えてくれました。注意を集中して耳を傾けるために、また話し手に対する敬意を伝えるためにも、この習慣は有益なものでお勧めです。ただ、あまりじっと見つめすぎるのは相手を当惑させることになりかねないので、加減はしなければなりません。

中学・高校の授業のイラスト(女性教師)

また、良い聞き手となるためには、感情移入をしながら聞くこともよく勧められます。相手の気持になって考えるなら、感情や思考力を働かせながら聞くことになりますので、集中して自然と話に耳を傾けることができ、あとで話の内容を思い出すことも容易になります。

つまりどんな方法であれ、人の話を集中して聞く手法を確立できればいいのです。子供にとってよく話を聞くために耳を傾けるべき機会は、学校での時間です。家に帰った後、親が「今日はどんなことを教えてもらった?」とか、「先生は今日は大事な話をしてなかった?」というようにいつも質問してあげるなら、家で親にきちんと話すためにも、学校でよく話を聞くようにしようと思うことでしょう。

次回に続きます。

日常の生活で身につける─国語の力─その3
前回は、「日常の生活で身につける─国語の力─その2」で、書く力と聞く力の養い方について考えました。 今回はその続きで、「話す力」についてです。 話す力 「聞く力」という土台の上に、「話す力」を築いていくことができま...
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