英語の力と言っても、英会話をする力ではありませんのでご承知おきください。学校で英語を学ぶに当たり、無理なくついていけたり楽しく学んだりするために役立つ力ということになります。
まずは学校英語
「何だ、学校英語か」と思うかも知れませんが、学校英語をきちんと習得すれば、英会話を習得することも容易になることは言うまでもありません。
現在のように、本格的に英語を学ぶのが中学校(しだいに小学校にシフトしていっています)という状況では、赤ちゃんや幼児が言葉を覚えるときのような、その言語のシャワーを浴びせ続ける、という方法は非効率的です。その方法で言語が習得できるのは赤ちゃんや幼児の特権です。中学生ともなると、その能力はもはやあまりありません。
単語と文法をしっかり覚えて学んでいくのが最も効率的です。赤ちゃん式に言語を習得しようとすると、結果的に大変多くの時間がかかることになるでしょう。
「○○ラーニング」などの英会話習得法がありますが、そしてその教材の有効性を証言する声もありますが、それは学校英語がある程度できている人の話だと思います。英語の基礎知識がない人がいくら英語(と、それに対応する日本語)を聞き続けても、正確な理解や習得のスピードの点で限界があります。特定の英語教材を批判しているのではありませんので悪しからず(*_*)。
ですから、将来英会話を本格的に始めたいと思ったときに、購入する教材を有効に活用するためにも、子供や学生のうちに学校英語に真剣に取り組んでおくことをおすすめします。
他の意見もあると思いますが、私がこれまで家庭教師として教えてきた経験上このように思います。
まずは単語
では、実際に英語の力を身につけるためにできることを挙げたいと思います。端的に言ってそれは、「単語」を覚えることです。1に単語、2に単語と言ってもいいでしょう。
英語の成績が悪い生徒をたくさん見てきましたが、どの子も単語を覚えるのがすごく苦手でした。単語がわからないと、はっきり言って勝負になりません。漢字が読めないと、国語のテストで問題文の意味がわからず点が取れないものですが、それと同じです。九九ができない子は、算数の点数はどうやっても伸びないと思いますが、それと同じです。
単語が読み書きできる子が成績が必ず良いかと言うとそうでもないかも知れませんが、単語ができない子は、必ず成績が悪いと言い切れると思います。
単語が覚えられるように親が手伝う
他の教科は、日常的なやり取りで、能力を養ったり知識を増やしたり興味をわかせたりする事ができましたが、英語に関してはもっと踏み込んだ支援が必要のように思います。
単語を覚えるために、少なくとも中学1年生の最初の1学期間は、教科書に出てくる単語を全て読み書きできるよう、付き添ってあげてください。親にとっては大変かもしれませんが、これをやるとかなり違うと思います。できれば中学1年生の1年間はやってほしいところですが、妥協して1学期間です。
それなりの数の単語を覚えることができたら、あとは子供自信が法則性に気づいてきて、初めての単語も発音を聞くだけで何となく書けるようになってきます。そこまで来れば成功です。それなりの数の単語を覚えるまで、辛抱強く手伝ってあげましょう。
中学2年生を過ぎてもその状態(発音を聞くだけで単語がほぼ書ける状態)になれない場合どうなるかと言うと、新しい単語が出てくる度に、よくわからないアルファベットの羅列を闇雲に覚えなければならないという試練に遭遇することになります。もはや苦痛に過ぎません。全然面白くありません。テストの成績も常に低迷です。だから英語の勉強は気が進みません。負のスパイラルです。
他の教科とは異なり、親にとって英単語を教えることは、自分の知識や理解が間違っていないかと特に不安に感じることもなく教えられる分野ではないでしょうか。年齢的にも難易度的にも、我が子に積極的に勉強を教えられる最後の機会かもしれません。何とか時間を捻出して取り組む価値があると思います。
ラジオ講座・テレビ講座の活用
普段から英語に親しむという意味で、ラジオ講座やテレビ講座は有効です。ただこれらの欠点としては、4月から始めないと内容が進んでしまっていてついていけない、というものがあります。そういう場合はどうすれば良いでしょうか。
できるなら4月から、あるいはその講座の開講日から始めるとよいのですが、それができなかった場合は、とりあえず次回のその講座の開講日まではBGMとして流し聞きする、という手法が取れます。とにかく耳を慣らすのです。そして、その時間に英語を学ぶ習慣を身につけるのです。
運良く4月から始めることができた場合も、学校で学ぶスピードとは違うスピードで進んでいきますので、そのうちついていけなくなくなる可能性がありますが、その場合も気にせず聞き続けると良いでしょう。「○○ラーニング」と同じ効果を望めるかも知れません。毎日聞きましょう。