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日常の生活で身につける─理科の力

実体験は、理科という教科の成績を左右するセンスを磨くのに役立ちます。小さいときから、とにかくいろいろな体験を数多くさせてあげましょう。

理科の学習内容に関係する体験を挙げていきましょう。

料理の手伝い

母子で行う食事の準備は、様々な学習にうってつけです。まずは、食物となる植物や魚の名前や形状、それらが旬となる時期について学ぶことができます。それぞれの食材の産地を目にすることもあるでしょう(これはどちらかと言うと社会の方ですね)。

水や調味料の量を計量するときには、計量カップを使うでしょう。そのときに、g・kgとリットル・デシリットルの関係について、またおおよその量の感覚について学ぶ機会が得られます。物質によって体積と重さの比率が変わることに気づくなら、比重や密度の違いについて教えてあげることもできます。

コーヒーに砂糖を入れる場合、コーヒーの温度が高いほど砂糖が溶けやすいことに気づくかも知れません。この経験も、後々役立つでしょう。私はこの例を、飽和水蒸気量の概念を掴むためによく取り上げます。しかし、コーヒーに砂糖を入れる等の経験がない子にはこの例えは通用しません。

一緒のお風呂に入る

お風呂では子供はよく遊びます。その遊びの延長線上に学びの機会を差し伸べましょう。中でも子供たちが喜ぶのは、サイフォンの原理を利用した遊びです。ホースを使って水を移動させるアレです。わかりやすい説明と図解がありましたので、リンク先を載せておきます。

 

サイフォンの原理

http://tinkle.jp/Plone/kingyo/siphon

 

湯船から風呂桶にお湯を注ぐ際、この方法でやってあげましょう。小さい子供は大喜びで自分でもやってみようとするでしょう。少し大きくなった時、どういう原理でそうなるのか教えてあげることができます。そのときには理解できなくても、この経験があれば、いずれ学校で気圧や水圧について学ぶ際、あーこれだったのかと気づくかも知れません。それで十分です。

コーヒーサイフォンのイラスト

遠出する

「日常の生活で身につける」と言っておきながら、これ以降は非日常の体験になってしまいますが、ご容赦ください。

遠出をすると言っても、飛行機に乗るほどの遠出です。飛行機がなぜ理科に関係するかと言うと、機内の気圧が地表面とは異なることにより、普段経験できない現象を体験できるからです。

JALの公式ページによると、「水平飛行中の高度における機内気圧は約0.8気圧程度で、標高約2,000mと同じ環境です。」

0.8気圧ですから、地上にいるときの1気圧より低くなります。すると、スナック菓子が入った袋が自然と膨らみます。子供ならこれを面白がるでしょう。面白い体験と知的好奇心や新しい知識を結びつけてあげましょう。飛行機に乗るとなぜお菓子の袋が膨らむか考えさせ、理由を説明します。その場ではわからなくても、近い将来学校の教科書で勉強する時、あっあのときのことか、となって実体験と結びついた知識とすることができます。

0.8気圧は標高約2,000mと同じとありますので、登山をするのもいいですね。ただ、2,000mの山は高すぎると思いますが。でも、そこそこの高さであってもそれなりの膨らみを経験できるでしょう。

海水浴に出かける

塩水は真水とどう違うか、実際に経験する良い機会です。海の水は塩辛いだけではなく、プールで泳ぐよりも浮きやすくて泳ぎやすい、ということを経験できます。つまり、液体の密度の違いは、その上に浮かべる物質の浮き沈みに影響するのです。このことを体験的に知っていれば、学校で浮力を学ぶときなどに感覚的な理解につながり、字面だけの理解よりも深い学習につながることでしょう。

日食・月食・星の観察

数年に一度、壮大な天体ショーを見ることができます。日食です。とは言え本格的な皆既日食はそう見られるものではなく、次回日本で見られるのは、2035年9月2日とのことです。

上のリンク先にもある通り、部分日食を入れるともうちょっと頻繁に見られるようですが、残念ながら日本では次回は2030年6月1日だそうです。

そこで、当分は日食は諦めて、月食にターゲットを絞りましょう。これはほぼ毎年のようにあります。ただ次回は2021年5月26日(2019年7月17日には日本の一部で見られる)だそうです。

日食や月食を一緒に観察できたら、そのときにそのような現象が見られる理由を共に考えることができます。またそのときには恐らく、テレビやインターネットで科学的考察を含めた解説を楽しむことができるでしょう。学校のテストでは、日食や月食に関する問題はよく出ますので、実際に経験できていると強いですね。

季節によって見える星が違うことも、実際に夜空を見て知ることができるならGOODなんですが、空気の汚さと周囲の明るさでなかなか星の観察は難しいですね。旅行先で機会を見つけて観察するようにしたいところです。

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